ただ、君の隣にいたいだけ

「よく、やったな拓馬」



嬉し泣きしていた拓馬くんを見て思わずもらい泣きしそうだった。でも私、そういえばまだ涙流してない。なんでだろう。一番泣けるところのはずなのに。



「またあいつと仲良くしてたね」



「亮輔さん?!拓馬くん、彼女とやり直せるかもしれないんです。頑張ってほしいな」



「なんだ、あいつ彼女いるの?安心したようなやられたような。じゃあ花菜ちゃん、俺たちもそろそろ行こうか」



気がつくとみんな帰っていて控えには亮輔さんと二人きり。聞いてもいいのか躊躇ったけどもう気にしないって決めたから聞く。


行こうと声を掛けられたけどどこに行くのかな?汗は控えの中のクーラーで引いたけれどやっばりシャワーは浴びたい。でも、打ち上げがあるし、どうしよう。



「どうしたの?花菜ちゃん」



「あの、シャワー浴びたいんですけどダメですか?」



「あっそっか。じゃ帰る?それからまた出直しにしようか?」



「時間とか大丈夫ですか?」



「うん、すぐ済むから大丈夫だよ」

ヒーローショー帰りとは誰も気づかないと思う。ファミリーパークの外に停めてある自転車に乗り、二人で家路に向かう。私なんて明海を乗せる椅子付きの自転車だしね。


亮輔さんが言ってくれたからシャワーだけをお互い済ませて改めて話を聞くことに。



「じゃあ行こうか。また観覧車で話したいって思うんだけど違う場所がいい?」



「あの・・・海で聞かせてもらってもいいですか?初めて亮輔さんと再会行った場所だから」


「分かった。歩いていこう。あそこまでは遠いし、出来たらすぐ話したい。近くの海岸でもいい?」



「はい」