ただ、君の隣にいたいだけ

「ほらっ、もっと大きな声で!!」



会場の子どもたちを煽るようにマイクで呼びかける傍ら、走らせるペン。私のせいで舞台、台無しにしてしまったんだ。みんなに迷惑を掛けてしまったんだ。



「もっと、もっと大きな声で!!ナイトレンジャーに力を与えて!!」



「カナッペ、気にするな。なかなか面白い演出になってるし、こんなの前もあったから大丈夫。亮輔さんはうまくセリフ出してくるだろうし、それにあいつらが一旦PA室に戻ってきたら少し変更点を伝えればいいだけ。台本通りに進めるように持っていくからカナッペもそのつもりで!!あっでもカナッペはここだけ忘れないで!じゃ行っといで」



萩原さんが台本上に大きく私が見えるように書いてくれた文字。ここだけが私の変更点。絶対、忘れない。


一礼をした亮輔さんに手を引かれ、PA室を後にし、すぐに出ていけるように裏でスタンバイ。ステージ上では子どもたちからパワーをもらった4人が立ち上がったところ。



「そうだ、俺らはこんなところでやられるわけにはいかない」

「早く、ピンクを助けに行きましょう」

「子どもたちからもらったパワーがあれば無敵になれるよ」

「よしっ、みんなアスタロトのところに行くぞ!!」

「待て!!俺もいるぞ。仲間はたくさんいたほうがいいだろ!」

「ナイトシルバー?!」



セリフは違うけれど動きは同じ。アクターの人たちも戸惑うことなく続けてくれている。ピンクがいないからその分、シルバーを早くから出して5人での救出にしたんだ。


すごいほんの一瞬でこんなにも変更したというのに違和感を全く感じない。この人たちは本当にプロなんだ。