「お母さん、私戻ってきて本当に良かったよ。毎日、充実してる。帰って来いって言ってくれて本当にありがとう。亮輔さん、アクシーズに入れてくれて本当にありがとうございます。今日、子供たちとピンクとして触れ合って本当にやりがいを感じました。私、これからもアクシーズで頑張るのでよろしくお願いします」



二人に頭を下げてお礼を言った。私がここまで来られたのはたくさんの人が支えてくれたから。でもこの二人がいなければここまで歩み出せなかった。


私は決めた。これからもずっとアクシーズのメンバーとして頑張っていくって。


「何、改まって。あらっ亮輔くん、ご飯が空っぽね。入れてくるわね」



立ち上がり亮輔さんのお茶碗を手にしたお母さんの目には薄っすらと涙が浮かんでいた。お母さんにはたくさん心配掛けたもんね。短大まで出してもらったのに引きこもり。


夢も枯れ果てて毎日、腐った日々。お母さんがここに戻っておいでって言ってくれなかったら私はまだあの街で燻ってたよ。


「亮輔さん、本当にありがとうございます。お母さんに胸を張って感謝が出来るのは亮輔さんのおかげです」



「こらこら、まだ明日が残ってるだろ。今日は握手会しか出来なかったけど明日はショーだよ。それが終わるまでまではまだ満足したらダメ。さっ、今は明日のために腹ごしらえだ」



「はい。あっ、ちょっと亮輔さん。お肉ばっかり食べないでくださいよ。はいっ、春菊に白菜、しいたけ」



「・・・野菜は、いりません」