ただ、君の隣にいたいだけ

またまた前言撤回。


なんだ、私。亮輔さんに振り回されてばかりだ。聞こうと思ったけどやっぱりやめようと思った。でも『ズルイ』なんて見に覚えのない売り言葉にカッとなって怒り口調でそんなことを口にしてしまった。


だって『ズルイ』って何?
ズルイのは亮輔さんだよ。



「・・・そうか。ズルイのは俺か」


「そう、ですよ。亮輔さんも私のことだけ考えてくれればいいのにって私ってば何、言ってるんだろ。すみません。前言撤回、前言撤回します」



ポツリと呟いた発言がダイナマイト並みの爆弾発言だと気づいたも遅し、キキーッと音を立て車を路肩に停める亮輔さん。ヤバイ。ヤバイ。


振られたくせに私ってば何様?亮輔さんが今、どんな表情をしているか見るのが怖い。



静まり返った車内。窓に当たる雨粒の音が響くだけ。怒ったかな。しつこいし、迷惑だって思ってるよね。亮輔さんがシートベルトを外す音がした。


まさか車を出るつもり?私、こんなところで置き去りにされても運転できないし、帰れないよ。