「何、その顔?安心したの?あたしが亮くんを好きだと思って聞いてきたってことはライバル宣言でもするつもりだった?いらないから」



「良かった。私、綾羽さんみたいに綺麗じゃないから。綾羽さんと亮輔さんが並んでいる姿見て、泣きたくなるくらいお似合いだったから・・・」



「・・・あたしは花菜になりたいけどね。こんなこと言ったら恥ずかしいけど年上のあたしが潤のことを好きでもなかなか素直になれない。潤はまだ若いし、あたしなんか釣り合わないもの。だから花菜が入ってきたとき、花菜や潤が惹かれあったらどうしようって思ったのが冷たい態度に出たんだと思うのよね。ごめんなさいね」



誰だって自分の好きな人が他の人と仲良くしている姿なんて見たくない。綾羽さんがあの時、私に冷たくしたのは庄野くんと私が話してたからだったんだ。



「本当、いい歳して自分でも何、やってるんだろって思うわ。でもダメなのよね、昔から。潤のことになると感情むき出しになっちゃう。潤はあたしのことなんて何とも思ってないのにね」



「私もですよ。私なんて振られたのに全然諦められないですからね」