ただ、君の隣にいたいだけ

肩も前ほど上がらなくなってきた。受身なんて最初は不恰好なでんぐり返しだったのに今では愛梨さんが絶賛してくれる。


素手の立ち回りは毎日抱き枕をサンドバック代わりに吊るしてかっこ良く見えるように姿見で練習。これは亮輔さんがまだこんな風に気まずくなる前に教えてくれた。



「高校のときさ、練習するとこを見られてやってること追求されるのが嫌だったからボクシングのふりをして枕相手に練習してたんだ。さすがに怪人役なんてそんな思春期真っ只中で言うのは恥ずかしかったからさ」



そんな亮輔さんの経験を真似させてもらってるから一番怪しまれてはいけない人にも怪しまれずに済む。


亮輔さんが出て行ってしまってしょんぼりしていた明海。亮輔さんの代わりにはなれないけれど最近の私の日課には明海とナイトレンジャーごっこというものが増えた。



「かな、あくはそんなへにゃへにゃしてない」



大好きなナイトレンジャー。明海の指摘は容赦ない。基本的には私が悪役。明海はナイトブルー。


ナイトブルー対怪人の戦いだけれど明海は私の先生にもなってくれている。やられ役だからと言って手を抜けない。実際、ピンクだってシルバーに庇ってもらうシーンがあるくらいだし。