その沙織とは正反対な僕は、本当に詰まらないくらい普通で人付き合いを大切にしていた。

だからこそ沙織の考えは理解不能であって、何より憧れでもあった。


沙織は、いつの間にか窓を開け、外を眺めている。

「…ねぇ、優は優しさってなんだと思う?」

『いきなり何だよ』

窓から顔を出して、長い髪がふわふわと風に靡いてる沙織の後ろ姿に不本意ながら見とれていた。