【短編】あなたの腕

あなたが頭の上で呟いた。


「いつも一所懸命なあなたを元気にしてあげられたらと思っていました。」


一所懸命に見えたのはきっとあなたの隣にいるのが苦しかったから。

苦しさを紛らわしたくて無理やり仕事に集中していたから。


そんな本当のことを言ってもあなたはきっとまた私を抱きしめてくれる。

日に焼けた腕で。

力強い腕で。


だってあなただから。


私が大好きなあなただから。