【短編】あなたの腕

あなたの日に焼けた腕が私の首の後ろを回って肩に触れて。

もう片方の時計をした腕が私の腰に触れて。


あなたは私をあたたかい胸へ引き寄せてくれた。


2、3秒のことだったけど。


私はあなたの温もりを。
あなたの香りを。
あなたの力強さを。
覚えていたくてギュッと目をつぶった。



「もう…いい…ですか…?」


困ったように言うあなたが私を息もできないくらい苦しくさせた。