大学の入学と同時に、 母さんが家に戻って、 父さんも家からの通勤になり、 俺も大学の近くに、アパートを借りた。 郁美はもうご飯を済ませているだろうか。 一段飛ばしで、階段を上がる。 「郁美!」 郁美はドアの前でうずくまっていた。 「悪い!寒かったよな。」 郁美はゆっくり立ち上がり、 優しく微笑む。