「親父、今日遅いんじゃなかったんかよー。」 ガチャ 「親父?」 ドアを開けたその先には、 いくの姿があった。 「夜遅くにごめんなさい。 話せる?」 あぁ、 もう気づかれていたんだ。 寒かったのだろうか、少し鼻が赤い。 どこか他人行儀な姿に涙が出そうになる。 「…あがって。」