「紡実は同じ髪型にしてくれちゃうような、ユーモアのある旦那さんが出来ていいわね。そんな人なかなかいないんだから」


「もう、うちの愚息はツムちゃんが好きで仕方ないんですよ」


「私もそんな人に出会えたらいいんですけどね」



母と大先生はぺちゃくちゃ話しながら、駐車場に向かってすたすた歩き出していた。



「俺はツムが好きだよ。初めて会ったときからずっと。意識したのは、初めてツムの家に行ったあとからだけど…。俺、約束する。ツムが幸せだと思えるように頑張るから」


「私も巧先生を幸せに出来るように、もっと料理を勉強します」



どちらからともなく手をつないで、少し先を歩く母と大先生を追いかける。



先生の好きなものは、フルーツたっぷりのクレープ、目玉焼きの乗ったハンバーグ、甘口のカレー。それから私が作るオムライス。

好きな食べ物を挙げたらキリがないんだけどね。



「ねぇ、巧先生が一番好きなものって何?」


「そんなの決まってるだろ。ツムだよ。わざわざ言わせんな」



全然痛くないヘッドロックをかけられた。




End…