センセイの好きなもの

「緑もたくさんあって、本当にいいところよね」


「ここを抜けると公園もあるんだよ」



公園は東京ドーム3個分くらいの広さで、一面が芝生になっている。バーベキューが出来るスペースもあって家族連れで気軽に来られる作りになっていると、大先生が教えてくれた。



「たーくみー!」



どこからか声がしてみんなでキョロキョロ見渡していると、少し先にある本堂から大先生が手を振っていた。

白いチノパンにボーダーのポロシャツ。大先生はスーツでも私服でもオシャレだ。



「巧先生、大先生と服の雰囲気似てません?」


「…ツムほどじゃねーよ」



恥ずかしいんだ…。

笑っちゃいそうだけど、ここは我慢しよう。ちなみに巧先生はジーンズにタンクトップとブルーのギンガムチェックのシャツ。

私たちは似たもの同士の親子らしい。


大先生に連れられてお墓に辿りつくと、すでに墓石はピカピカになっていた。大先生は先に掃除をして、住職さんと話していたという。
ユリの花とお線香を供えて、手を合わせた。