数分後、タイミング良くサービスエリアがあり、車は滑り込むように入っていった。
そして駐車場に停めると、さっそく電話をかけ直したのだった。
「もしもし?オレだけど、電話くれてたろ?」
あれ?
今、『オレだけど』って言ったよね?
確か、わたしに電話をしてくれた時も、そう言ってた。
あの時は、その馴れ馴れしさが嬉しくて、もしかして、わたしだから言ってくれたのかなとも思ってたけど…。
違ったのか。
やっぱり、そうよね。
ただの口癖なんだわ。
思わずため息を漏らした時、
「だから、それは違うだろ!」
編集長の怒号に背筋が伸びた。
どうやら、また須賀さんと衝突しているらしい。
お互い、仕事に対しての考えがしっかりしている分、なかなか妥協出来ないみたいだ。
肩肘をつきながら電話をしている姿から、編集長がイライラしているのが伝わってくる。

