俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!



車は社用車だから、音楽も何もない。

ラジオくらいはつくけれど、それを編集長は敢えて切っていた。

「本当に、すごくいい天気ですね」

さっそく高速を走る車窓からは、速いスピードで景色が変わっていく。

だけど青い空は、どこまでも続いていた。

「そうだな。これから行く御所(ごしょ)温泉て場所は、山奥の隠れ家的な温泉宿で雰囲気いいと思うよ」

「そうなんですか?」

「ああ。写真はあらかじめ撮ってあるから、見てみるか?」

そう言って編集長は、手探りで茶封筒を探し当てた。

「ほら、見てみろよ」

手渡された封筒には、見本らしき写真が数枚入っている。

それを見てみると、言われた通り、周りが山に囲まれた雰囲気のある温泉宿みたいだ。

「へぇ。露天風呂からは、山の景色が年中楽しめるんですか」

写真には、山が桜で染まっているものや、深緑に染まっているもの、それに紅葉や雪化粧に染まった写真がある。

「今の季節は深緑だな」

編集長の言葉に、テンションは上昇中だ。

まるで、本当の旅行みたい…。