「でしょ?一理あるでしょ?香乃子の気持ちを知ってもらうのが大事よ。今のままじゃ、自分に気がないって誤解されたままよ?」
「うん。確かにそうだね…。あっ、車で送ってもらったお礼のメールを、まだしてなかった…」
「ちょっと何やってんのよ。早くメールしなよ」
なんという不覚。
大事なメールを忘れていたなんて。
この間、編集長から送られてきたメルアドを登録しておいたから、帰ったら送るつもりだったのだ。
弥生との電話はさっさと切られてしまい、その後すぐにメールを送った。
『送ってくださり、ありがとうございました。また、明日からお願いします』
「送信っと。ホント、色気のないメール」
もっと可愛く送りたいけど、日頃から素直になれないせいで、メールもまるで社交辞令みたいだ。
それでも送らないよりマシと思っていると、すぐに編集長から電話がかかってきたのだった。
電話口の編集長は上機嫌で、笑い声が聞こえる。
「気を遣わなくていいよ。忘れてて慌てて送ってきたろ?」
「何で分かったんですか!?」
もしかして、部屋のどこかにカメラでもある?
思わず辺りを見回すと、編集長のため息が聞こえた。
「図星か」

