「絵美は、今ではいい女友達なんだよ。あいつにとっても、オレは男友達で。だから、余計に仲良さそうに見えるのかもな」
「そうですか…」
『あいつ』とか、本当にただの友達なら、あまり使わない言葉だと思う。
だから、そこに二人がただの友達じゃないと、見せつけられている気がした。
「それより、メイク似合ってるじゃないか。平瀬こそ、それを見せたい相手がいるんじゃないのか?」
「えっ?」
似合ってると言われた嬉しさと、好きな人の存在をサラッと聞かれたことへのショックで複雑だ。
見せたい相手は、編集長なのに…。
「好きな男くらい、いるんだろ?」
「いますよ。もちろん」
なんだ。
わたしのことなんて、全然気にも留めてないのか。
編集長と恋バナなんて、したくもない。
「そっか。じゃあ、そいつと上手くいくといいな」
ハンドルを握りながら、笑顔でそんなことを言わないでよ。
もしわたしが好きだって告白しても、同じことを言える…?

