入り口の前には、話題の本や新刊が平積みにされていて、その中にVILLAもあった。
「あっ、VILLAだ〜。わたし、いつも読んでるんだよね」
「わたしも!」
そう言って駆け寄ってきたのは20代半ばくらいの女性で、仕事帰りのOL風の人だ。
二人ともVILLAを手に取ると、パラパラとめくっている。
「この間さぁ、VILLAに載ってる宿に、彼氏と泊まりに行ったんだけど、凄い良かったよ。今度はどこにしようかなぁ」
「ホント?わたしも、デートスポット特集の場所に行って、最高だったよ。メイク特集も良かったよね?」
「うん、うん。やってみたら、彼氏に大好評だったよ」
二人はそんな会話をしながら、VILLAを持って店内に入って行った。
この仕事をしてから、こんな風に生で感想を聞いたのは初めてだ。
「わたしたちが作る雑誌、楽しみにしてくれてる人がいるんだよね…」
雑誌の最終ページには、編集長である亮平の名前が載っている。
「そう言えば、わたし言ったんだっけ?亮平の仕事は、夢と幸せを生み出すって…」
本当にそうだね。
そしてわたしが、それを阻もうとしてたなんて、ホント最低。

