「何も余計なことを考えてないってば。それより、明日は大事な人脈を広げる集まりでもあるんでしょ?体力をつけとかないと」
「そりゃ、まあそうだけど。だけど、早い内に修司さんとのことも含めて、白黒つけてもらうからな」
「分かってるって」
恨めしそうに見た亮平は、背中を向けてベッドへ潜り込む。
ったく、拗ねると子供みたいなんだから。
「ねえねえ、何で背中を向けるの?寂しいじゃん」
軽く突ついてみても無反応だ。
そこまで拗ねなくてもいいのにと、内心呆れてしまう。
「ねえってば」
今度は体を揺さぶってみたけど、それでもこっちを見てくれない。
「もう!そんなんじゃ、わたしがここにいる意味ないじゃない。じゃあ、また明日。おやすみ」
本当にもう帰っちゃおう。
起き上がりベッドから降りかけた瞬間、亮平に腕を引っ張られた。
「び、びっくりした」
弾みでベッドの上へ倒れたわたしを、不満そうに見下ろしている。
「 本当に帰ろうとするとは思わなかったよ。残念だけど、今夜は絶対に帰さないから」
そう言ったかと思うと、亮平は半ば無理矢理キスをして、わたしをもう一度抱いたのだった。

