バスルームで抱きしめ合うなんて、変な感じ。
そう思いながらも、胸に顔を埋める。
少し時間が流れた後、亮平が呟くように言ったのだった。
「香乃子はオレより7歳も年下な上に会社の部下で、まさかこんな風に自分の彼女に出来るなんて思ってもみなかった」
「そ、そうなの…?」
わたしが戸惑うのは、こんな風に突然見せる亮平の弱気な部分。
俺様の亮平が、正反対の面を見せるだけで、どう接していいか分からなくなるから。
だけど今は、その空気を壊す様に亮平が笑った。
「こんな格好で言うセリフじゃないか。ごめん、香乃子。もう出ようか?そろそろ寝よう」
「う、うん…」
言われるがまま着替えを済ませると、再びベッドルームへと戻った。
まだ緊張感は残るけど、ベッドへと潜り込む。
オレンジ色の電球だけになった暗がりの中で、亮平はわたしに言ったのだった。
「さっきも言ったけど、香乃子が彼女になってくれたことが、いまだに信じられないくらいなんだ。だから、出来るだけ長く一緒にいたいと思うんだよ。バスルームでさえも」

