仕事を、こんなに楽しみに思うこともなかった。
亮平と恋人同士になれるまでは…。
明け方には自宅に戻り、着替えを済ませてから、いつも通りに出勤だ。
それでもオフィスへ向かう足取りは、自然と速くなっていく。
大好きな人に会える瞬間が、待ち遠しくてたまらないから。
「おはようございます!」
亮平は、毎日誰より先に来ているから、オフィスに飛び込むと、真っ先に目に入る。
それは今日も同じで、デスクで仕事を始めている亮平が見えた。
「あ、おはよう平瀬」
チラリと目を向けた亮平は、すぐに視線をデスクの上にある書類へ移す。
あれ…?
なんか、素っ気なくない?
あからさまに態度に出来なくても、ちょっとくらい微笑んでくれるとか、目配せしてくれるとか…。
してくれても、いいんじゃない!?
なんで?
「編集長〜。この原稿なんですけど」
ボーッと突っ立っている内に、亮平の側には早川さんがやって来た。
そして、彼女には優しい笑顔を向けている。
そんなのおかしくない!?
ねえ!おかしいよね!?

