こっちも慌てて起き上がると、下着と服を身につける。
「ちょっと待ってよ。どこに行くの?」
不機嫌なまま、側を離れないでよ。
ただでさえ、出来たてホヤホヤのカップルなんだから、離れられるだけで不安になるのに。
憧れの編集長と恋人同士になれた、そんな都合のいい夢を見ているんじゃないかって…。
「暑いから、涼みに行くだけ」
後を追いかけるわたしに、亮平は少しだけ振り向いて言った。
「じゃあ、わたしも行く」
ったく、本当マイペースなんだから。
亮平の背中越しに、頬を膨らませてみたけれど、それが伝わるはずもなく…。
亮平が足早に向かった先はバルコニーで、途中キッチンからミネラルウオーターを手に取っていた。
「夜風が気持ちいいー」
バルコニーに出ると、心地いい夜風が頬をかすめる。
さっき膨らませた頬を、撫でられてるみたいだ。
「だろ?涼むにはちょうどいいんだよ」
隣に並ぶと、ミネラルウオーターを軽く差し出された。
どうやら、飲むかどうか聞いているらしい。
ホント、素っ気ない。
それなら、少し困らせてみようかな。
きっと、亮平なら嫌がるはず…。
「飲むから、亮平が飲ませて」

