約束 ~未来を決める1ヶ月~



落ち着け。落ち着け。



いかにも平常心を保ってるかのように中庭の扉を開ける。



大きな木に人影がある。




間違いない。五十嵐くんだ。




もう一度、髪を整えて歩き出す。




あたしに気付いた五十嵐くんはふりかえって、あの笑顔を向けてくれた。



「あ、香山さん!」


はじめてよばれた……


緩みそうな口元にきゅっと力を入れる。




「急に呼び出したりしてごめんね。

俺さ、香山さんのことすきになっちゃった。

俺と…付き合ってくれませんか?」




びっくりした。


ってゆーのは表向きだけで、本当は1番まっていた言葉。



「返事は今じゃなくても…「うん!」」



五十嵐くんの言葉をさえぎって返事をした。


「え?」


「こちらこそ、よろしくお願いします」



もう、緩みまくった口元。


さすがにこれは我慢できないよ。