Diary〜失われた記憶〜



 …あ、そういえば。


「紫月!そういえば、お母さんが今日紫月に渡したいものあるらしくて、紫月帰り私の家寄れる?」


たくさんのクラスメイトに埋もれた見えない紫月に向かって大きな声で呼びかける。
「うん、行く!」という紫月の声が返ってくるのとほぼ同時に、クラスメイトの視線が一斉にこっちを向いた。