「あー、ホントの喋り方はコレ。父さんがうるさくてさ…」






羽園家はこう言うのを気にする家系なんだ。







「…そっか」






「嶺雨は…いつもそれなの?」







「うん。お母さんとお父さん亡くしてから…硬くなったかも」






でも、少しずつ取り戻しつつあるよね?






だって…、かしら、とか。





わよね。とか…。






今となっては少し笑えるよね?






家に着くと…そこには、鼓君と雨雅の姿があった。




「嶺雨…」




近付いてきた雨雅は涙目で抱きついてきた。




「…うん。分かってるよ。雨雅を一人にしたりしない」





雨雅を…守れなくなるのはごめんだよ。





「…俺は、もう家族を失いたくないよ。…だから何処へも行くな」





雨雅の体が微かに震えている。





「…うん。雨雅はあたしが守ってみせる。……例え、掟を破ったとしても、ね」




ふんわりと少し笑ってみる。





雨雅は目を見開く。




お母さんっぽくみえたかな?




雨雅のお母さんがわりになれるかな?



雨雅…。




私はアナタが生きているだけで…誰よりも、何よりも幸せでいられるよ。