「う、嘘でしょう!?どうしよう!」





フラッと、来た身体。





きっと…あんなに大きな力使ったの初めてだからかな?





頭が痛いし…。





大丈夫。







早く雨雅を助けなきゃ!





ファサッ…目の前がいっきに暗くなった。






「っ!?」





あたしは驚きで、動けず…。





「俺のパーカーだけど、フードあるから被りなよ」






「そーだな。虹色は目立つし…。やっぱり透明になろうぜ!」





で、でも…そうしたら、雨雅以外の全員が…天罰をくらってしまう。







「だ、大丈夫だよ?…羽園君、ごめんね?…天罰」





クラッと目の前が揺れる。






嗚呼、あたしもそろそろ限界かも…。





あたしは羽園君から借りたパーカーを羽織り、フードを被る。






フラフラと塀をつたいながら歩く。






「嶺雨、頼るべきだよ」





その声と共に…フワリと宙に浮く身体。






目の前には…羽園君の綺麗な顔。






嗚呼、なんか前も見たことある気がする。






「羽園君?」






「どうかした?」





前を見ながら歩く羽園君。






「…ありがとう」






本当に…。






それから…





「…ごめんね」






あたしは、涙目の目で羽園君を見た。







天罰はすごく辛いと聴かされている。








「…泣くなよ」






頭をコツンとやられる。






「…ごめん。迷惑ばかりかけて…。羽園君との思い出…思い出せなくて…」






「…いーよ。迷惑かけてよ。俺を頼って…」







あたしは返答に困って居ると…隣から顔が出て来た。






「…俺を軸にして半径5mから出ないでな?」






鼓君の髪の色が…黒色に染まって、瞳が真っ赤に染まる。






「…ごめんなさい」






あたしのせいだ。







『雨氷』の血を引いているんだから…雨でも降らせちゃえばよかったのに。







「…いーよ。俺だって…助けて欲しい時に助けて貰ったんだよ。嶺雨に…」






「…え?あたし?」






鼓君は静かに頷いた。