「やったじゃん、秋穂!」
と、柚月が言ってきた。他の優花ちゃんやスズちゃん、それから、知佳子も言ってきた。私は、

「うん」

と一応頷いた。

今、生徒会の副会長の選挙をやっている。正直こういうの本当に興味が沸いてこない。皆が勝手に私が生徒会選挙に出る事にした。皆からすれば、私は、優等生でリーダーシップがあって運動神経も良くて、クラスの人気者らしい。でも、私は、そんな事、一言も思ってないから、正直うざい。
でも、皆優しいし、面白いから毎日楽しい。

そして、だんだん選挙の「正」の数がだんだん私に増えていく。
結局私は、副会長になった。こんなの、「なれて嬉しい」とか「なれても嬉しくない」とも思っていない。ただ、なったってどうって事はない。
皆は「やったね!」とか「やっぱ副会長といえば秋穂だね」とか「さすが、秋穂、天才!」やらまだ何もやってないのに、褒められる。なんでだろう。いっせいに拍手が沸いた。

一方、生徒会長はというと、2年生の元岡英士になった。この、元岡先輩は学校一の人気者。クールで、頭も良くて、スポーツ万能なところが女子にモテるらしい。私は、そこのどこがいいか、さっぱりわからない。

男子には、全くの興味ゼロ!
よく、知佳子とか柚月達に「あんたさ、たまには恋をしてみたら?」と言うけれど、私は、まず「恋」とか「好き」と言う言葉の意味がよく分からない。だから、女子の話についていけない。まぁ、別にいいんだけどね。こんな私にも恋する時は来るのだろうか。―なんちゃって。

[今から、生徒会選挙の発表をする。まず、会計だ。会計になったのは、2年の福士聡介と2年の戸山愛だ」

皆が拍手をする。

2年の福士先輩は元岡先輩の次に人気者でやんちゃだけど、すごく優しくて、頭も良くて、スポーツ万能なところが女子にモテるらしい。
それと、2年の戸山先輩は知佳子から聞いた話だと、すごくメガネ美人で、頭も良いし、スラーッとしていて、すごくクールなところが男子にモテて、女子の憧れらしい。

「次は、書紀だ。書紀になったのは、2年の山本健一と1年の大川知佳子だ」

皆が拍手をする。

2年の山本先輩は、よく分からないけど、サバサバしているところが女子はキュンキュンくるんだとか…。1年の知佳子は、私の一番の親友でもう、とにかく可愛い!!

「最後は、副会長と会長だ。副会長になったのは、1年の佐野秋穂だ。そして、会長になったのは、元岡英だ。2人とも、前に出てきなさい」

えー、なんで前に出なきゃいけないの!?
私はそう思いながらも、返事をして、前に出た。

「これから、この2人を中心にやっていく。2人とも宜しくな」

「「はい」」

そう2人で言うと、皆が

「わー!美男美女だよー!オーラあるー!かっけー!!」

なんて、言ってる。バカみたい。

全校集会が終わった後、元岡先輩と私は寺岡先生に呼ばれたので、体育館に残った。