「葉南?どうしかしたのか?」



「・・・・え、いや」



「うそつけ!」



質問され、答えるまでの僅かな沈黙。


それを見抜かれてしまっていた。


やっぱり・・・スキ・・・


離れたくなんかない・・・


優しさや温もりを感じると

いやでも思ってしまうこと。





「なんでわかったの?」


「そりゃ分かるべ!お前わかりやすいしな」


「え・・・www」



「やっぱり家のことか?」


「・・・・」


「ごめんな」



「ううん・・・ううん・・・」


「努くんのせいじゃないから。」


「葉南が冷たく接してるの。そのせいで


お母さんは、怒って・・・それで」



こらえていた涙が、ほんの一瞬の間に

溢れ出してしまった。


「お母さんは、どうせ・・・・


葉南よりも、お姉ちゃんよりも、


努くんのお父さんを・・・」



「葉南を傷つけた分、俺を傷つけろ」


「ダメ・・いやだ・・・」



「なんで?」


「だって・・・彼氏だもん


未来の夫だもん♪・・今がどんなに


辛くても大丈夫。未来は輝いているはずだもん」





そう・・・未来がある。



明日がある。



大丈夫。



いつか絶対に報われる日がくるんだ・・・


信じてるから。