アイツ限定




「俺に追いつこうなんて100年はえーよ。」



「そうやって余裕かましてろっ!そのうちあたしが追い越してやるんだからっ!」



「…うはははっ…やれるもんなら、やってみろよ。」



そういって、村上はあたしの方を見てきた。

あたしも、村上の方を見る。



__ドキッ


あたしの心臓が高鳴った。



村上が…笑ってる…?


あのころと全く変わらない。

あたしが恋した笑顔。

あの少年の笑顔と、村上の笑顔が重なる。

えくぼができる、無邪気な笑顔。




見れた…やっと。




その瞬間、汗ではない、生暖かいものがあたしの頬を伝う。




「…ん?お前泣いてるのか?」



村上は、心配そうにこちらに近づいてきた。