アイツ限定



ドリブルをしている瞬間は、なんだか強くなれる気がする。

相手と向かい合う瞬間は、絶対に負けたくないって思う。

シュートを打つ瞬間は、なんだか気分がスカッとする。



一瞬一瞬がキラキラ光り輝く。




バスケの魅力に改めて気づかされる。






__キーンコーンカーンコーン…



1限目終了を告げるチャイムが鳴った。



あたしたち2人はその瞬間、体育館へと力なく倒れこむ。




ボールは、あたしの手から力なく落ちて、小さくバウンドした。



「はぁ…はぁ…はぁ…きっつ…。」



あたしはセンターサークルで仰向けになって体育館の天井を見る。

村上は、あたしの隣で同じように仰向けになって、息を整えていた。



汗だくのあたしたち。


どうやって、教室に戻ろうか。


下着はびしょびしょ。

この上から制服なんて着たくない。