アイツ限定



__ガコンっ



そんな音が、体育館に響く。


リングを通ったボールが力なく、体育館に転がるのがわかる。


あたしは抜かれてから、何もできなかった。

追いつけなかった。



改めて思い知らされる実力の差。



だけど…



「わくわくする。」



あたしの顔には笑顔が浮かんだ。


村上はというと、ボールを拾ってあたしに投げてきた。



「勝てるもんなら、勝ってみろよ。」



そういって、あたしの前に立ちはだかる。



「言っておくけど、あたし、今からが本気だからっ!」



そういって、力強くあたしはドリブルをついて、体育館を蹴った。


そう、勝負はこれから。



負けてなんていられないっ!