アイツ限定





__トンっ



誰かがあたしの肩に手を置いたのがわかった。

その瞬間なぜが、張りつめていた緊張がすーっと抜けたような気がした。



「…おい、大丈夫か?顔色、わるいぞ。」



村上だった。

心配そうにあたしを見てくる。



「あ…ああ。ごめん。ちょっと体調悪くて。」



「放課後、やめるか?」



「大丈夫、ちょっと、1限目はパスする。先生に言っといて。」



そういってあたしは、ゆっくりと、立ち上がった。


その瞬間視界がぼやけた。



え…何…?


体に力が…はいらない。


あたしの体が徐々に後ろに倒れていくのがわかる。




ダメだ…このままだと倒れるっ…。