アイツ限定



「じゃ、またいつか会おうぜ。約束な。」



「…うん。」



そういってあたしたちはバスケットボールと同じ色のこのオレンジ色の空の下、指切りをして約束を交わした。

多分、あたしの初恋の男の子。

一瞬で終わったあたしの初恋。




幼い小6のあの日に。







今でも、あのバスケットボールはあたしの部屋に飾ってある。


優兄と啓兄になんど捨てろと言われたかわからない。

確かに汚いけど、思い出が詰まってる。



それがあたしのバスケを始めた理由。





でもなんで、村上がそんなこと知りたがるわけ?





「あのバスケットボール…今も持ってるか?」



バスケットボール…もしかしてあのあたしの部屋にあるバスケットボールのこと?


…なんでこいつが知ってるわけ?




「…な…なんであんたがボールのことを…」



村上は、あたしが驚いているのにもかかわらず表情一つ変えない。



「あの日、出会った男の子。…俺なんだよ。あの小6のころ。」



…え…