アイツ限定



だけど、今はそんなのどうでもよかった。



「…別に。そんなことするわけねぇじゃん。」



村上もまったく気にしていないようだった。



「じゃぁなんなの。あたしにもう構うなよ。」



「…そんなわけにはいかない。」



「は?意味が分からない。」



「お前さ、なんでバスケ始めたわけ?」



「…っ!なんで、お前がそんなこと聞くんだよ。」



「いいから、答えろよ…」



あたしがバスケを始めた理由…


…それは…



あたしが小6のころだった。



優兄も啓兄も帰りが遅くて、父さんは出張中の日。

夕方だったと思う。

あたしは、夕食の買い出しに行くためまだ慣れない外へと出かけた。

まだ、あの日の恐怖が残っていたが、訓練だと思って勇気を出して速足で近くのスーパーへ向かっていたのを覚えている。

その時、ちょうどあのバスケットゴールがある公園を通りかかった。


そこで、聞いたことのある音があたしの耳に入ってきた。



ダム…ダム…ダム…



この音どこかで聞いたことある。

確か…体育で聞いたことがある音…バスケットボールを打つ音。


あたしは足を止めて、その公園をのぞいてみることにした。