アイツ限定


ずんずんと、教室に置いてある机をかき分けて、あっという間に教室を出て、ある屋上へと続く階段を行こうとしているようだった。


だけど、好きにさせるものか。


あたしは、その階段前に差し掛かった時、足を止めた。


村上はも足を止めて、こちらを向き、相変わらずの表情のない顔を向けてくる。


ほんと、こいつは何考えてるのかわかんない。



そしてあたしは、護身術を使って素早く村上につかまれていた手首を解いた。


村上は、驚いたそぶりは何も見せず、ただただ、あたしの顔をじっと見ていた。




「…で、用件はなんなんだよ。」



あたしは、つかまれていた手首をさすりながら、村上を睨む。

本当はここで教室に帰ればいいところなんだけど、またこんなことをされてはたまらない。



「雅人さんから…お前の過去のこと全部聞いた。」



相変わらずのポーカーフェイスでそんなことを言ってくる村上。


そんなことだろうと思った。



「何?あたしに同情したわけ?」



きっとこいつはあたしが昔犯されたことや、雅人から二股かけられたってことまで聞いているんだろう。




___キーンコーンカーンコーン


ちょうどそこへ、1限目の始まりを知らせるベルが鳴る。