アイツ限定


あたしは驚いて、一瞬手が止まった。



「何?」



あたしは村上を顔も見ず視線は机の中。



「ちょっと、こい。」



そういって、村上は席を立つ。



「バカじゃないの?もう授業始まるんだけど。」



ほんと、何言ってんのこいつ。

なんで今なわけ?



あたしは黙々と、世界史の教科書を机の中から探す。

その姿勢にいらだったのか、村上はあたしの手首をつかんで無理やり立たせた。




「…っ…!放せよ。」



あたしはきっと村上を睨む。


クラスのみんなは、なんだなんだってひそひそ言っているのが聞こえる。




村上はそんなの気にせず、あたしを引っ張って教室をでようとした。


ここで、得意の護身術をやりたいけど、ここだと狭すぎる。

近くの千夏にでも被害が出たら大変。


あたしは、つかまれている手を不快に思いながらも、教室を出るまでは素直に従うことにした。



相変わらず、無言の村上。