アイツ限定


明日香もつられて足を止める。



「明日香にはわかんないよっ。男がどれだけ怖いのかが。

どんなにあたしが反抗しても男は簡単に力であたしをねじ伏せる。優しくしてくれたと思ったら、冷たく突き放される。

男なんて…みんなそういうもんっ」



あたしがそう言い切ると、明日香はもう何も言ってはこなかった。

残りの学校への道をあたしと明日香は無言で歩く。



学校について、あたしはいつも通り自分の席に着く。


明日香とあたしの異様な雰囲気に千夏は気づいたのか、「何かあった?」とあたしが席に着くなり話しかけてきた。



「何も。」



とあたしは無愛想で返答する。


千夏は首をかしげていたが、あたしに今話しかけたらだめだと悟ったのか、1限目の授業の準備をしだした。



そして、ちょうどそこへ村上が登校してくる。



「…」



相変わらずあいつはあの、雅人と会った日からあたしに全く話しかけてこない。

村上は、無言で自分の席に着き、千夏同様1限目の授業の準備をしだした。


雅人が何を言ったかは知らないけれど、あたしにとってこの状況はありがたい。


あたしも、2人のように1限目の授業の準備をしようと、机をあさる。

確か1限目は世界史だったはず。



「…なぁ…ちっといいか?」



村上が、いつの間にかあたしに体を向けていきなり話しかけてきた。