「マリマリ。そういえば、村上君と最近言い合いしてないみたいだけど、何かあったの?」
学校へ行く途中、あたしの隣で朝食のパンを食べながら、明日香があたしに話しかけてくる。
「別に、大したことない。あっちが構ってこないだけだし。」
「…私さ…見ちゃったんだよね…」
「何を?」
明日香が、パンを口からはなし、あたしの前で立ち止まる。
やむおえず、立ち止まるあたし。
「…一週間前くらいの放課後、村上君が、雅人さんの車に乗り込むところ。」
「…雅人の車に…村上が?…なんで…」
「そこまでは知らないよ…私見ただけだもん…マリ、自分から聞いてみれば?」
「…そんなことするはずねぇじゃん…嫌だよ、そんなの。」
そういって、あたしは立ちはだかってる明日香をかわして、再び歩き出す。
明日香は、あたしの後ろを駆け足でついてきて、パンの最後の一口を口に放り込んだ。
「…ほんなほとひぃっへはら、いっほうほふひんひゃひょ?(そんなこと言っていたら、一生独身だよ?)」
明日香さん。
食べ物を口の中に入れたまましゃべらないでいただきたい。


