アイツ限定


だけど、兄貴たちは、あたしにゆっくりとゆっくりと近寄ってきてくれた。

あたしが、怖がらないように。

あたしが、再びまた外に出れるように。


今は、海外長期出張中でいない父さんも、当時は、出張中だったのにもかかわらず、仕事を放りだしてあたしの元へ駆けつけてくれた。

だけど、全力でそれを拒んだあたし。

父さんはあたしに触れようとしたけどあたしは全力で拒否した。


というか、あたしの体が、嫌だといった。


男にはもう、触れたくないと。


だけど、兄貴たち同様、あたしに寄り添ってくれた。

女の人で、優しそうなカウンセラーをあたしにつけてくれた。

あたしの親友で幼馴染の明日香の家まで行って、頭を下げて、明日香をしばらく家で預かりたいと言ってくれた。


あたしの人生をめちゃくちゃにした犯人逮捕に、父さんと兄貴たちは全力を尽くしてくれた。


その甲斐あって、1か月後にその大学生4人はあっけなく捕まった。


刑は有罪の、懲役3年。罰金300万。



あたしにとっては、軽るすぎると思った。



3年?


またあの人たちがこの世に放たれる。

たった…3年後に…


そう思ったら怖くて怖くて仕方なかった。


だから、今こうやって稽古してる。

力をつけてる。

もし、再びあたしがあの4人にあったとき、もう負けないように。