言葉を失った。



これで、何もかもがつじつまが合う。


俺と初めて会ったときに真っ青な顔をしたこと。

俺が抱き締めようとしたとき、カタカタと震えだしたこと。

マリが自分の口から過去を話したがらなかったこと。



マリはこれを知られると俺に嫌われると思った。


だけど、俺正直もう無理なんだよ。

何すればいいかわかんねぇし、今マリのことが好きなのかどうかさえ分からない。











♪~♪~~





俺の携帯の着信音が短く鳴る。


俺はポッケから、携帯を取り出すと、メールが1件届いていた。


『もう一生会いたくない。さようなら。』


マリからだった。

俺はその画面を明日香にみせる。


明日香はただ、強がってるだけだと言っていたけど、俺はこの言葉を素直に受け入れた。




「正直…俺にはあいつは無理。他の男当たれ。きっとあいつなら、俺よりもいい男見つけられると思うぜ。」


そういって、俺は席を立ち、カフェを出ようとする。


後ろでは、明日香が「…あんたに頼ったあたしがバカだったっ!」なんて叫んでいた。