「……は?」
「もう、これ以上は無理だと思った。どうやったって俺、拒否られたんだ。」
「…なんでマリが男嫌いなのか知ってるんですか?」
「しらね。」
「…マリに理由聞きました?」
「聞いたけど、嫌われるからっていって、教えてくんなかったし。」
そういうと、次の言葉を躊躇う明日香。
だけど、何かを決心したように再び口を開いてくれた。
「マリは…小学5年生のころ…っ…ある大学生4人組に犯されたんです…
つまり…レイプされたんです。
それ以降、マリは男との接触は完全に断ち切りました。多分、そこで男への恐怖心が生まれたんだと思います。外へ出ることもせず、一時期は、家族であるお父さん、お兄さんたちでさえ、近づくことができなかったんです。
だから、私が住み込みでマリの身の回りの世話をして、カウンセラーの力も借りました。その甲斐あって、約1年後やっと学校へ行けるまでの回復したんです。だけど、男への恐怖心はいまだ消えず、今に至ってるんです。
マリは、本当に雅人さんのこと好きって言ってました。もう、雅人さんしかきっといないんです。マリの心開ける人…だから…」
明日香は必死に俺に訴えてくる。
小5で犯された?
男に?
…


