アイツ限定


だけど、次の日、俺は友達にマリと付き合ったって報告して、マリの写メ見せた。

そしたら、思ったとうり、出てきたのは「可愛いっ!」「超美少女っ」「え、これで中学生?」「やっべ、羨ましすぎる」なんて言葉。

その言葉でしばらくはマリに触れられなくても我慢できた。



だけど、そんなことが長く続くはずもなく、俺多分、結構不安だったんだろうな。




俺は浮気しちまったんだよ。

俺は適度に可愛くて、たまたま告白してきた女と付き合った。

つまりは二股かけてた。


それで、マリとのバスケする時間も無くなって。

次第に、連絡取りあうことも少なくなって、このまま自然消滅すんのかなって思った。

それでもいいのかななんて思った。

気づけば、マリと会わなくなって1か月が過ぎていた。

会わない時間が長引けば長引くほど、正直俺の中でマリのことなんてどうでもよくなっていった。


正直言って、マリは顔と成績以外とりえがない女。

マリよりも、こっちの女の方がいつも俺の傍にいて、俺の言うことは何でも聞いてくれる。

触れたければ、簡単に触れさせてくれる。

マリといるときよりもこっちの方が断然楽だった。




だけど、急に事の次第は動き出した。

俺が浮気相手とデートしてた時、ばったりとマリに会っちまったんだよ。

確か近くのショッピングモール。

マリは1人友達を連れてきていた。


無視しようにもできない俺ら。


口を開いたのはあっちからだった。



「…だから男って嫌いなんだよ。」



そういって、マリが今にも泣きそうな顔をして、猛ダッシュで俺の前から逃げて行った。

このマリの顔は、俺一生忘れないと思うわ。

だって、すっげぇ怖かったから。

女ってあんな怖い顔すんのかって初めて思った。


冷たくて、まるで周りの何もかもを凍らせてしまいそうな顔。

俺の全身が一瞬凍りついた。

俺はその場からしばらく動けないでいた。

隣にいた女が、なんかうるさく言っていたような気もするけど、そんなのは俺の耳に届かなかった。




すると、その場取り残されたマリの友達が俺の前に立って「ちょっといいですか」なんて言ってきたんだ。

俺は、その瞬間に体が動くようになって、一緒に居た女に「お前はもう帰れ」って言って、そのマリの友達についていった。

ってか、この子もかなりの美人だった。

マリに劣らないくらいに。

名前は確か明日香って言ってたと思う。