アイツ限定



その時、俺の顔が自然とほころびたのを覚えている。



そして、あっという間に、そのデートに日になる。


俺がつくころにはマリはもう既に、待ち合わせ場所にいた。


中1とは思えないような大人びた顔立ちのマリ。

だから、高校生の俺と並んだってなんの変哲もない。



「まった?」



俺がそういうと、マリはニコッと笑って、「今来たところ」なんて言ってくる。


俺にはそれがたまらなくかわいくて、そっとマリの頭を撫でた。


そして、手はつながないものの、2人で水族館、映画館、ショッピングセンターへと足を運んだ。


始終、ずっと話していたのを覚えている。

だけど、1つだけ話してくらないことがあった。



「…なんで、男嫌いになった訳?」



そう聞くとマリは決まってこういう。



「…嫌いだから。」



どれだけ聞いたってそう。

だから、聞くことをやめていたけど、どうせ振られるなら、このもやもやをなくしたいって思った。


ショッピングセンターの中のカフェに入ったとき、思い切って聞いてみたんだよ。



「マリが男を嫌いになった理由はなんなの?」



そういうと、決まって下を向くマリ。



「…っ」



しばらくは、沈黙が続いた。


やっぱり聞かなければよかったと後悔も一瞬した。


だけど、ゆっくりとマリはその固い口を開いた