夕方の短い時間、お互い部活でヘトヘトの中毎日行われた2人での練習。
だけど、疲れなんてマリにあったら吹っ飛んだ。
気が付けば、半年以上が過ぎていた。
マリは、スタメンではないが、交代で出させてもらえるようになった。
俺から見ればすごいことだと思う。
だって、中学から始めた奴が、ミニからやってきた奴を押し置けて、試合に出るって…
Y中の女バスは部員30人を超えている。
その中から、たったの5人がコートに立てる。
その5人の中に一瞬でも入れたこと自体がものすごい成長だと思う。
俺との1on1でも、一瞬でも気を抜くとマリにやられそうになるのがわかる。
だけど、俺もK高バスケ部のスタメンなわけで…
負けるわけにはいかない。
ってなわけで、勝つのはいつも俺。
そのたびに、悔しがるマリの顔はまた可愛かった。
で、ある時言っちまったんだよ。
「好きだよ。」って。
告白するのはこれが初めてだった。
何で言っちまったのかは、分からない。
マリのこと好きなのかどうかさえわからない。
だけど、口が勝手に動いた。
これでも、俺結構モテる方で、いいなって思った女は皆あっちから来てくれた。
だけど、なんでか長続きはしなくて、1か月続いたためしがない。
その時のマリは、驚きで目をぱちくりさせていたのを覚えている。
多分、あいつは俺のことそんな風には当時は思っていなかったんだと思う。
ここまで来たら、引き下がるわけにもいかず俺は、念を押した。
「1日だけデートしない?」って。
そしたら、マリは、少し悩んだものの、「いいよ」って言ってくれた。


