雅人さんは、にこっと笑って、そんなことを頼んでくる。
「自分で持ってくださいよ…」
「あ、お前習わなかったのか?先輩の言うことは絶対なんだぞ?」
…この人はガキ大将かよ。
俺は、わかりましたよと小さく言って席を立つ。
ドリンクバーのコーナーの下の棚からコップを2つ取出し、1つをアイスコーヒーのところに、1つをウーロン茶のところにセットして両方一気にボタンを押す。
そして、7割くらい入ったところでボタンを離し、両手で2つのコップをテーブルへと持っていく。
「どうぞ。」
そういって、テーブルにコップを置き、席に着く。
「おお、さんきゅーっ!…でも、改めてお前、綺麗な顔してんな…」
雅人さんは、アイスコーヒーを飲みながらまじまじと俺の顔を見てくる。
「…どーも。」
「ほんとお前愛想ねぇよなぁ~…マリの方がまだ愛想はあったぞ?」
は?
あいつ、俺に対しては全くねぇのに?
「全くですよ。」
そういいながら、俺はウーロン茶を一口、口にふくむ。