おっさんは、すたすたと歩いて、ファミレスの中へと入り、店員さんに席を案内してもらう。
俺もその後ろへとついていった。
「ねぇねぇ。あの2人兄弟かな?」
「え、ちょ、イケメンすぎじゃない?」
「私、あの髭生えてる人タイプかも」
「えー!絶対にあの制服の人だよ!あの制服は……星南(セイナン)じゃない?」
「ってことは……もしやあの噂の……!?」
「「村上聖也君!?」」
席に着くなり、真後ろのテーブルにいた女子高校生の会話が耳に飛び込んできた。
多分、俺らに聞こえないように小さな声で話そうとしているんだろうけど、もう興奮しきっているのか、聞こえまくり。
もうキャーキャー言って叫んでいる。
「ぶはっ!お前有名人なんだな?俺ら、兄弟だとよ」
そういって、俺の向かいに座って、ケラケラと笑っているおっさん。
「最悪っすよ」
そういって俺はお冷を一口飲む。
「あ、そうだっ!俺のことは、雅人さんって呼べよ。おっさんとは決して言うな。わかったな。俺まだピチピチの21歳なんだからなっ!」
そういって、再び笑う……雅人さん。
21歳か……ってことは俺と4歳差。


