あたしは、余裕でパスカットをすると、もう、リング下にいた村上にロングパスをする。
そして、あっという間にレイアップを決めた村上。
ここにきて、今日初めての村上のシュート。
意外とあさっさりと決めてしまった。
「焦るな焦るな。大丈夫だ。」
そうやって部長は声掛けしているけれども、もう、残りの4人はヘトヘトのようだった。
おいおい…体力あたしよりもないじゃんか。
「あんたたちさ…女のあたしに負ける気?かっこ悪。」
あたしは、センターサークルに立つと、皆に聞こえるようにそういう。
だって、悔しくないの?
あんたたち男なんだよ。
あたしよりも力あるんだよ?
村上がいくらすごいからって、2対5だよ?
絶対にそっちの方が有利なわけじゃん。
なに諦めてるわけ?
「…ふ…まだ負けてねえし。」
そういって、あたしをさっきよりもしつこくガードしてきたチャラ男。
お?
見かけの割にはやるじゃん。
チビも、キッとあたしを睨んでくる。
やっぱり、バスケはそうこなくっちゃ。


