アイツ限定



だって、この5人のなかで一番劣っているのは多分このチャラ男。

こんなやつにあたしは、止められない。


ジャンプボールから普通始まるバスケの試合。

だけど、今回は特殊な試合のため、あたしたちのボールから。





__ピーッ!




試合開始のブザーがなったとたん、あたしたちの進撃が始まった。

きっと、あたしがパスでもしながら進むと思っていたんだろう。

そんなはずないじゃん。


あたしは、勢いよくゴールしたへと走った。

チャラ男はそんなあたしにピタッとくっついてくる。


バスケでは、自分の中で区別しているため、プレー中に気持ち悪くなることはない。

ただ、試合終了後はやばくなるけど。



村上はというと、あたしがゴール下に着いたのを確認すると、周りを取り囲む4人を一気に振り切った。


あたしは自分の目を疑った。

だって、あまりにも綺麗だったから。

するりと、4人のわずかな隙間をついて、大きな図体をした村上がするりと抜けてくる。


あ、見とれている場合じゃないだった!


あたしは、とりあえず、3pラインまで下がり、チャラ男は、あたしにボールを持たせないようにディナイをかけてくる。


そんな甘いディフェンスであたしを止められるかっての。


あたしは余裕でチャラ男をかわし、村上からボールを受け取った。