アイツ限定




「じゃ、ちゃんと持ってこい。」



そういって、あたしも村上の背中を追う。



なんだか、村上の雰囲気が違う。

さっきの殺気みたいのは感じられない。

というか、その逆で、なんだかワクワクしてる?

バスケを楽しもうとしてる。





「よし、俺はここの部長の池島だ。お前らのゼッケンは青な。」



体育館に再び入ったあたしたちに、さっきの人が寄ってくる。

この人部長だったのか。



そう思いながらもあたしは2番、村上は1番の青いゼッケンを着た。


相手は、村上の予想通りのメンバーが白いゼッケンを着用した。


部長さんは、1番。

ゴボウみたいなやつは、2番。

チビは、3番。

坊主は、4番。

チャラ男は、5番。


村上はさっきから、動きたくて仕方ないらしく、そわそわしている。

あの、村上がワクワクしている。

あたしまで、なんだかワクワクしてきた。