アイツ限定




「無謀すぎる。」



あたしははっきりと言い切った。

だって、村上がボールを運んでくるっていっても、相手は5人。

個々では村上に劣ってるとしても、5人ともなれば、流石にきついはず。



「お前、俺の本気見たことねぇから、そんなこと言うんだよ。まぁ、お前は受け取ったボール全部いれろ。いいな。」



そういって、村上は地べたに座ってストレッチをしだした。



「前のあたしとの対決は本気じゃなかったってこと?」



「あれは、6割くらい。だって俺、3p控えてたし、ダンクも1本しかしてねえし。」



…何てやつ。

それであの点差!?


中学なとき、男子の試合なんてまともに見たことないしな。

だから、実際T中の男バスのプレーは見たことがない。



「おーい。降りてこい。試合やるぞー!」



下から、さっきの人があたしたちを呼ぶ。

途端に村上はふぅーっと息を吐いて立ち上がった。



「シュート外したら、覚悟しろよ。」



あたしに、ぼそっとそういって、村上はゆっくりと歩きだす。